※2026年9月30日時点のANA公式発表・FAQに基づきます。この記事で説明する新区分のサービス開始は2028年4月1日です。国内線ラウンジの予約方法など、まだ公表されていない点は決まり次第変わる可能性があります。
「SFCは年300万円使わないとラウンジに入れない」と聞いたあと、「やっぱり使えるようになった」と知ったら、何を信じればよいのでしょうか。
結論は、ANAが2026年9月に、年300万円未満となるSFC LITEのANAラウンジ利用条件を見直した、ということです。4月案の「ANAラウンジは利用不可」から一部戻りました。ただし、国内線では混雑時に利用できない場合があり、国際線も対象空港と搭乗便が限られます。さらに、スターアライアンス・ゴールドがLITEに戻ったわけではありません。
ここが重要です。「ANAラウンジを使える場面がある」と「提携航空会社でもゴールド特典が使える」は別の話。この記事では、制度表を丸暗記せず、自分の旅行でどうなるかを見ていきます。
まず結論:9月に戻ったのはANAラウンジの一部
ANAはSFC(スーパーフライヤーズカード)会員向けに、対象のANAカード・ANA Payの年間決済額で「SFC PLUS」と「SFC LITE」を分ける予定です。対象決済が年300万円以上ならPLUS、300万円未満ならLITEです。300万円に届かなくても、SFC会員資格そのものが無効になったり、退会扱いになったりするわけではありません。ANA公式FAQ
| 2028年4月からの主な違い | SFC PLUS(対象決済300万円以上) | SFC LITE(対象決済300万円未満) |
|---|---|---|
| 国内線ANAラウンジ | 利用可能 | 混雑時を除き利用可能。事前予約の仕組みも導入予定 |
| 国際線ANAラウンジ | 会員区分に応じた利用資格あり | ANAグループ運航便搭乗時、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用可能 |
| スターアライアンス資格 | ゴールド | シルバー |
| 新しいSFCマイル特典 | 対象決済300万円以上で5,000マイル | 対象外 |
この表は、SFCの会員区分による特典を簡潔に比較したものです。座席クラス、別途保有する上級会員資格やカード特典によって、個別のラウンジ利用条件が変わる場合はあります。ANA公式の新旧比較表
まず時系列を確認:今すぐLITEになるわけではない
混乱しやすいのは、「発表された日」と「実際に特典が変わる日」が違うことです。
- 2026年4月:SFCをPLUSとLITEに分ける案が発表。LITEのANAラウンジは利用不可という内容でした。
- 2026年9月:ANAがLITEのANAラウンジ条件を見直し、一定条件で利用できる新制度を発表。
- 2026年12月16日~2027年12月15日:最初の年間決済判定期間。
- 2028年4月1日:新区分に応じたサービス開始。それまでは従来制度です。
「今日からラウンジの条件が変わった」「今月中に300万円使わなければ」と慌てる必要はありません。一方、最初の判定期間は2026年12月に始まるので、対象になる支払いを確認する時間は今からあります。ANA公式スケジュール
ANA国内線:SFC LITEでも使えるが、混雑時は別
9月再改定によって、SFC LITEはANA国内線のANAラウンジや共用ラウンジを混雑時を除き利用できる予定です。年末年始やゴールデンウィークなどの大型連休、出発便が集中する時間帯には、利用できない場合があります。日ごろ空いている時間に使えても、旅行のいちばん混む日に確約されるわけではありません。ANA公式のラウンジFAQ
そこでANAは、LITE会員向けに国内線ANAラウンジの事前予約制度を導入する予定です。ただし、予約枠は有限で、すべてのラウンジ・便が対象ではありません。成田のANA ARRIVAL LOUNGEの国内線出発ラウンジと、中部・関西・熊本・宮崎の共用ラウンジは事前予約の対象外です。ここを「ラウンジ利用そのものが禁止」と読み替えないようにしましょう。予約対象となる便も、ANAグループ運航便かつANA便名での予約が条件です。ANA公式の事前予約案内
予約を持たない場合でも、混雑時を除き利用できる可能性があります。ただし、実際に入れるかは搭乗日当日のラウンジ受付で確認します。予約方法や開始日などの詳細は、ANAが2027年度中に案内するとしています。現時点で「何日前から予約」「必ず席が取れる」とは言えません。
ANA国際線:出発空港と運航会社をセットで見る
SFC LITEの国際線ラウンジ条件は、ANAグループ運航便への搭乗時に、羽田・成田・ホノルルのANAラウンジを利用可能という内容です。空港名だけでなく「ANAグループ運航便」という条件も必要です。ANA公式比較表の脚注
例えば、羽田からANAグループ運航便で出発する場合と、海外の別の空港から帰国する場合では、使えるラウンジを同じようには判断できません。羽田で使えるからといって、海外の出発空港にある提携ラウンジまで自動的に使えるわけではないのです。別の搭乗クラスや上級資格で入れる場合はあり得ますが、SFC LITEだけを根拠に旅行の往復両方でラウンジ利用を確約しないことが大切です。
一番大きい差は、スターアライアンス・ゴールドが戻らないこと
ANAは多くの航空会社が参加する「スターアライアンス」の加盟会社です。現行SFC会員に付くゴールド資格は、加盟他社を使う旅行でもラウンジや空港の優先サービスを考えるうえで重要でした。
2028年からの予定では、SFC PLUSはゴールドを維持する一方、SFC LITEはシルバーになります。ANAのFAQは、LITE会員がスターアライアンス加盟他社便を利用する場合、ラウンジ、優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取りなどは原則対象外と説明しています。ANAグループ運航便を使うときに残るサービスと、他社便でのアライアンス特典を混同しないでください。ANA公式の比較表・FAQ
これが「ラウンジ復活」という短い見出しだけでは伝わらない点です。ANA国内線中心の人と、海外でスターアライアンス加盟他社に乗り継ぐ人とでは、LITEになる影響が異なります。
年300万円を目指す前に「自然な決済額」を確認
300万円は単純平均で月25万円。ただし判定は暦年ではなく、12月16日から翌12月15日までです。対象となるのは、国内発行で券面に「ANA CARD」とあるANAカードや、対象のANA Pay決済など。対象の家族カードの利用分は本会員へ合算されます。複数の対象ANAカードも、マイル口座が統合されていれば合算されます。ANA公式の決済額FAQ
一方で、ANAカードからANA Payへのチャージ額は対象外です。ANA Payで実際に対象となる決済をした金額と、残高へチャージしただけの金額は分けて考えます。カード付帯電子マネーの利用分、年会費・各種手数料、キャッシングなども対象外。対象期間内に決済データが到着しない場合や、カードブランド変更で変更前の利用分が原則対象外になる場合など、境界付近で注意すべき条件もあります。ANA公式FAQ
考え方の例を一つ。もともと対象のANAカード・ANA Payで年240万円を使う家庭なら、PLUSまでの差は60万円です。新しい買い物を60万円増やすのではなく、いま他のカードで払っている既存の支出を移すかを検討します。そのカードの還元・保険・優待を失う可能性もあるため、「300万円達成=必ず得」ではありません。この240万円・60万円は説明用の仮定であり、特定のカードの損得を示す数字ではありません。
旅行スタイル別:SFC PLUSを目指す必要は同じではない
国内線を中心に、比較的空いている時期に乗る人。 LITEでもANAラウンジを利用できる場面があります。繁忙期に確実な利用を重視するか、他社便にも乗るかで、PLUSの必要性を考えるのが自然です。
ANAグループ運航の国際線を、羽田・成田・ホノルルから利用する人。 LITEでも対象のANAラウンジを使える可能性があります。ただし、海外の帰路空港まで同じ条件とは限りません。往復の空港と便を分けて確認します。
スターアライアンス加盟他社便もよく使う人。 LITEではシルバーとなり、従来のゴールド特典が使えなくなる影響が大きい可能性があります。PLUSを目指すか、搭乗クラス・別のステイタスなど他の利用資格があるかを確認する価値があります。
いずれの場合も、ラウンジの金額換算だけで結論を出す必要はありません。空港での時間、旅行頻度、家族の同行、他カードを使う機会費用は人によって違います。ポイントのために買い物を増やすのではなく、普段の旅行と家計で判断するのが基本です。
家族会員・例外・新規入会で気を付けたい点
- 対象のANAカード家族会員の決済額は本会員に合算され、家族会員のサービス区分は本会員と同じです。ただし、家族会員と、カードを持たず同行するだけの同伴者は別。ラウンジに何人入れるかは利用する特典・ラウンジの条件を別途確認します。ANA公式FAQ
- ANAグループ運航便で100万ANAライフタイムマイルに到達したSFC会員は、決済額にかかわらずPLUSです。ただし新しい5,000マイル特典は年間決済300万円以上の場合に限ります。ANA公式
- ANAカード プレミアム本会員には、カード特典として国内線ANAラウンジを本人のみ利用できる扱いがあります。家族会員や同伴者まで一律に同じとはしません。ANA公式のラウンジFAQ
- これからSFCへ入会する場合、100万ライフタイムマイル到達者を除き、最初はLITEです。ただし、別に保有するANAプレミアムステイタスの有効期間中は、そのステイタスのサービスも利用できます。ANA公式FAQ
なお、2026年4月の改定発表を理由に2026年4月23日~9月29日にSFCを解約した人には、条件付きの特例再入会制度があります。申請期限は2027年3月31日ですが、無条件で戻れる制度ではなく、提携カード会社の審査・年会費などの条件があります。該当する方はANA公式FAQを直接ご確認ください。
出発前・決済前のチェックリスト
- 搭乗日は2028年4月以降か。 それ以前は従来制度との混同を避ける。
- ANAグループ運航便か、提携航空会社便か。 ANA便名かどうかも、国内線の事前予約では重要。
- 出発空港と利用したいラウンジはどこか。 国際線LITEのANAラウンジ対象は羽田・成田・ホノルル。
- 国内線なら混雑日・予約対象・当日の受付確認を考慮したか。 予約の詳細は未公表。
- 年300万円の対象決済だけを数えたか。 チャージ、手数料、カード切り替えなどの例外に注意。
- 他社便のゴールド特典が必要か。 必要ならLITEの「ANAラウンジ一部利用可」だけで判断しない。
9月再改定でSFC LITEのANAラウンジ条件は4月案より緩和されました。しかし、従来のSFCが丸ごと戻ったわけではありません。 自分が使う便・空港・同行者と、自然な決済額を並べて考えることが、いちばん実用的です。
基本的なラウンジの種類から確認したい方は空港ラウンジの種類と入り方を、上級会員特典の全体像は航空会社の上級会員になると何が変わる?をご覧ください。
主な公式資料
※本記事は制度の一般的な解説です。実際の利用可否や対象決済額はANAの最新案内と個別の利用状況でご確認ください。提携航空会社での他の搭乗クラス・会員資格等に基づく特典まで否定するものではありません。