※2026年10月3日時点のアメリカン・エキスプレス公式情報に基づきます。カードの年会費、特典、対象となる支払いは変更されることがあります。この記事には広告が表示される場合がありますが、特定カードの申込みを条件に結論を変えていません。
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カードの年会費は、2026年9月の改定で34,100円から42,900円になりました。「新しい特典が増えたから得」と聞いても、自分が使わなければ年会費は戻ってきません。一方、年間400万円の利用で15,000マイルという数字だけを見て、値上げは改悪と決めるのも早計です。
この記事では、普段の決済で400万円に届くか、ANAでの旅行にカードを使うか、新しい飲食・ラウンジ特典を自然に使えるかの三つを軸に、持ち続ける価値を考えます。特典のために支出を増やすことは勧めません。
結論:年会費差額8,800円と、カード全体の42,900円は分けて考える
既存会員が「値上げを受け入れるか」を考えるときの差額は8,800円です。ただし、次の更新時に保有を続けるか、別のカードへ変えるかという選択では、支払う年会費42,900円全体と代替手段を比較します。この二つの問いを混同しないことが大切です。
年間400万円を無理なくカード決済し、ANAマイルを使い、対象のダイニングや羽田のラウンジも利用する人には検討価値があります。反対に、400万円に届かず、増えた特典もほぼ使わないなら、値上げ後に持ち続ける理由を見直したいところです。どちらも「誰でも得・損」という結論ではありません。出典:アメックスの改定案内
年会費はいくら上がった?家族カードも合計する
| 年会費(税込) | 改定前 | 改定後 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 基本カード | 34,100円 | 42,900円 | 8,800円 |
| 家族カード1枚 | 17,050円 | 21,450円 | 4,400円 |
| 基本+家族1枚 | 51,150円 | 64,350円 | 13,200円 |
9月2日以降の新規申込みは新年会費です。9月1日までに保有・申込み済みの会員は、請求月に応じて新料金への切り替え時期が異なります。アメックスは「2026年11月以降の請求分から順次」と案内しており、全員が9月2日に追加請求されるわけではありません。更新月は会員向けの利用履歴で確認できます。家族カードは基本カードと請求月が異なる場合もあります。出典:アメックスの年会費早見表
400万円で15,000マイル——「毎月約33.3万円」の意味
2027年からの新しい「利用ボーナスマイル」は、毎年1月1日から12月31日までの対象カード利用額が400万円以上なら、15,000マイルが翌年3月末までに付与される仕組みです。400万円を12か月で割ると月平均約33.3万円。年会費を払っただけではもらえません。出典:アメックスの利用・継続特典
ここは段差のある特典です。年間399万円で終われば、この15,000マイルの条件は満たしません。400万円に届いた場合も、15,000マイルは通常のポイントに上乗せされるもので、「400万円使えば、普段より57,000マイルも多くもらえる」という意味ではありません。公式の57,000マイル相当の例は、通常ポイント40,000ポイント相当、利用ボーナス15,000マイル、継続ボーナス2,000マイルを足したものです。通常ポイントは支払先によって対象外や半分になる場合もあるため、全員の確約値ではありません。出典:アメックスの獲得例・ポイント条件
家族カードの利用分は基本カードの達成額に合算されます。ただし、家族カードには年会費があり、継続ボーナスマイルが人数分増えるわけではありません。年会費や支払手数料など、利用ボーナスの集計対象外となるものもあります。返品や加盟店からの売上データ到着の遅れもあり得るので、12月末のぎりぎりの買い物だけで達成しようとせず、アメックスのアプリで達成状況を確認してください。出典:利用ボーナス規約
「あと50万円」のとき、支出を増やす必要はない
例えば、もともとこのカードで年間350万円を支払い、別カードで50万円を払う予定の人がいるとします。比べるべきは「50万円の買い物を新たに増やすか」ではなく、支払う予定がある50万円をこちらへ移すと、別カードのポイントや特典をどれだけ失うかです。新規にカードを作って支払いを集める人なら、400万円全体を他カードで払った場合とも比べます。
マイルを一律に現金換算しない理由もここにあります。特典航空券は行き先、時期、空席、税金・諸費用によって使い勝手が違います。ご自身が実際に予約できそうな旅程で、マイルの価値を見積もりましょう。
2026年は既存会員と新規会員で条件が違う
「今年も400万円使わないといけない」と慌てる必要はありません。2026年末までには移行措置があります。
| 2026年の扱い | 対象期間・条件 | 特典 |
|---|---|---|
| 2026年9月1日までの保有・申込み | 2026年1月1日〜12月31日に300万円以上 | 従来のANA SKY コイン獲得プログラムで10,000コイン |
| 2026年9月2日以降の申込み | 入会後〜2026年12月31日に100万円以上(制度上の移行期間は9月2日開始) | 新しい利用ボーナスの移行措置で5,000マイル |
| 2027年以降 | 毎年1月1日〜12月31日に400万円以上 | 15,000マイル |
ANA SKY コインとANAマイルは同じものではなく、単純に「10,000より15,000の方が5,000お得」と比較できません。また、2026年の新規入会特典キャンペーンは別制度です。紹介広告にある「最大○万マイル」は、この表の毎年の特典と混ぜず、利用額・達成期限・対象外を個別に確認してください。出典:アメックスの移行特別期間
見落としやすい別特典:ANA対象商品の100万円ごとに5,000 SKY コイン
「ANA SKY コイン獲得プログラムは2026年末で終了」と聞くと、SKY コイン関連がすべてなくなると思うかもしれません。しかし公式サイトには、ANA航空券や対象のANA旅行商品への支払いが100万円(税込)ごとに5,000コインという、別の「ANA SKY コインプレゼント」が掲載されています。対象期間は毎年10月1日から翌年9月30日。通常の買い物をすべて足せる400万円ボーナスとは、対象の支払いも集計期間も異なります。航空券を旅行会社経由で購入した場合などは対象外です。出典:アメックスのANA SKY コインプレゼント
この特典はANAで対象商品を年間100万円以上購入する人には意味がありますが、家計全体で100万円使えばもらえるわけではありません。動画・記事で二種類のSKY コイン特典を混ぜないことが重要です。
ダイニング「年間最大2万円」は、実際に使える人だけ数える
新しいダイニング特典は、対象レストランの利用代金の20%をキャッシュバックし、ゴールドは年間最大2万円。ただし、1月〜6月と7月〜12月に各最大1万円の上限があります。各期で上限1万円を得るには、対象となる支払いが単純計算で少なくとも5万円必要です。対象の店で普段から食事をする人には魅力があっても、特典のために外食を増やしたら家計上の利益とは言いにくくなります。出典:アメックスのダイニング条件
利用にはAmex Offersへの事前登録、ポケットコンシェルジュ経由の予約とオンライン決済が必要です。店頭で直接支払った場合は対象外。家族カードは登録できません。2026年は移行期間で、ゴールドの上限は最大1万円です。既存会員は10月29日開始、新規会員は9月2日開始と、利用開始日も違います。出典:2026年の移行特別期間・利用方法
ラウンジも「どこでもANAラウンジ」ではない
新しく利用できるPOWER LOUNGE PREMIUMは、羽田空港第2ターミナル国際線の出国エリアにあります。対象カードと本人名義の当日の搭乗券などを提示し、同伴者は1名まで無料です。これはANAが運営する「ANAラウンジ」とは別の施設。ANAアメックス・ゴールドを持つだけでANAラウンジに入れるわけではありません。出典:アメックスのラウンジ案内
さらにプライオリティ・パスは、会員登録の年会費は無料でも、ラウンジ利用料が無料なのは年間2回まで。3回目以降と同伴者は所定の料金がかかります。家族カード会員も申込み対象ですが、家族カード自体の年会費と併せて考えます。「ラウンジ付き」という一言で、施設・回数・同伴者を一括りにしないでください。出典:アメックスのプライオリティ・パス条件
旅行保険・ポイントも「持っているだけ」と思わない
ANAアメックス・ゴールドの旅行傷害保険は利用付帯です。旅行代金の対象となる支払いなど、補償を受ける条件を出発前に確認する必要があります。保険の上限額だけでカードの価値を決めないようにしましょう。出典:アメックスのカードサービス
通常の買い物は基本100円で1ポイントですが、加算対象外または200円で1ポイントになる支払先もあります。ゴールドのポイント有効期限は無期限、ANAマイルへの移行手数料は無料と案内されています。ただし、カードのポイントと移行後のANAマイルでは有効期限の扱いが変わるため、使う予定を考えてから移行します。出典:アメックスのポイント比較
3タイプで判断:自分ならどこに入る?
| タイプ | 見るべきもの | 判断の方向 |
|---|---|---|
| 普段の支払いだけで年400万円以上、ANAマイルも使う | 他カードとの差、マイルの使い道、新特典の実利用 | 継続・入会を検討しやすい |
| 年300万〜400万円で別カードも使う | 不足分を移した場合に失う別カード特典 | 差を計算してから判断 |
| 年400万円未満で新特典も使わない | 年会費42,900円全体と代替カード | 見直しを検討 |
家族カードを持つ場合は、その利用額が合算される一方で年会費21,450円が追加されます。家族で使えば必ず得、という話にはしません。また、SFC(スーパーフライヤーズカード)を持つ方は、SFCの会員区分判定と、このカードの400万円利用ボーナスを別制度として確認してください。SFC側の最新の条件はANA SFC再改定の記事で整理しています。
更新前のチェックリスト
- 基本・家族カードの年会費請求月を確認する。
- 2027年の対象利用額が、普段の支払いで400万円に届くか見積もる。2026年は自分が既存・新規のどちらかを先に確認する。
- 別カードへ払う場合のポイント・特典を比べる。支出は増やさない。
- ANAマイルを使いたい旅行の予定と、特典航空券の空席・諸費用を確認する。
- ダイニング、羽田第2ターミナル国際線ラウンジ、プライオリティ・パスを実際に使う予定があるか数える。
- 切り替え・退会前に、ボーナス付与日、ポイント、年会費の扱いをアメックスに確認する。
よくある質問
年400万円使えば、毎年必ず15,000マイルもらえますか?
2027年以降は、暦年の対象利用額400万円以上が基本条件です。返品・集計対象外・付与時点のカード保有状況などの規約もあります。達成状況はアプリで確認してください。出典:利用ボーナス規約
新しいラウンジはANA国内線でも使えますか?
新特典のPOWER LOUNGE PREMIUMは羽田第2ターミナルの国際線出国エリアです。ANA国内線の「ANAラウンジ」とは別で、カードだけを根拠にANAラウンジは利用できません。出典:ラウンジ案内
年会費値上げだけで解約を決めてよいですか?
まず請求月と今後の特典利用を確認しましょう。既存会員なら差額8,800円、新たに保有先を選ぶなら年会費42,900円全体が比較対象です。切り替えで未付与のボーナスやポイントに影響が出る場合があるため、手続き前に公式窓口へ確認してください。出典:年会費案内・利用ボーナス規約
まとめ
ANAアメックス・ゴールドは、値上げ後も一部の人には十分検討に値します。しかし決め手は、見出しの最大特典を足した数字ではありません。普段の支払いで400万円に届くか、ANAマイルを実際に使うか、追加された特典を無理なく利用できるか。この三つを自分の明細と旅の予定で確認してから、更新を判断しましょう。