ANAスーパーフライヤーズカード、いわゆる「SFC」の制度改定が発表され、その後ANA自身が「見直しを検討している」と表明しました。お詫びの言葉も出ています。SNSやマイラーのあいだでも大きな話題になり、「結局どうなるの?」「持っているカードはどうなるの?」と不安に感じている方も多いと思います。
この記事では、その不安をいったん落ち着けるために、2026年6月時点でANA公式が発表している事実だけを、できるだけていねいに整理します。大事な前提を先にお伝えしておくと、今回の制度改定の内容は、現時点で確定していません。当初発表された内容は、現在ANAが見直しを検討している最中で、詳細は2026年9月末までにあらためて案内される予定です。
ですからこの記事は「改悪が確定した」とあおる記事ではありません。「今すぐ取れ」「今すぐ解約しろ」と結論を急がせる記事でもありません。いま確定していることと、まだ確定していないことを分けて、落ち着いて状況を見るための整理記事です。それでは順番に見ていきましょう。
いちばん大事な現状:発表→意見多数→「見直し検討中」→9月末に再案内・お詫び
まず、この記事でいちばん大事なところからお伝えします。いまSFCの制度改定は、内容が確定していません。
ANA公式が「今」言っていることを整理すると、次のようになります。
- 先般発表したSFCの制度改定について、多くのお客様からご意見をいただいている
- 現在、改定内容について、見直しを検討している
- すでに案内した内容を再検討することとなり、お詫び申し上げる
- 制度改定の詳細については、2026年9月末までにあらためて案内する
これが、いま唯一の「確定した最新の事実」です。流れにすると、①ANAが制度改定を発表した → ②多くの意見が寄せられた → ③ANAが「見直しを検討」と表明し、お詫びをした → ④詳細は2026年9月末までに再案内する、という4ステップになります。
この記事の軸はここです。つまり、このあと紹介する「当初発表された改定内容」は、すべて見直しの対象として読んでください。「もう決まったこと」ではありません。ここを押さえておくだけで、巷の情報に振り回されにくくなります。
なお、寄せられた意見の中身や、ANAがそれをどう受け止めたかについては、公式が具体的に語っているわけではありません。ですからこの記事でも「批判の中身はこうだ」「ANAの意図はこうだ」といった推測は、事実として書きません。あくまで公式が認めている事実だけを整理します。
そもそもSFC(スーパーフライヤーズカード)とは?
今回の話を理解するために、そもそもSFCとは何かをかんたんに確認しておきます。
SFCは、飛行機の搭乗実績などで得たANAの上級会員資格を、カードを持ち続けることで維持できる仕組みのカードです。通常、航空会社の上級会員ステイタスは「1年でたくさん飛ぶ」ことで得られますが、毎年その実績を保つのは大変です。SFCは、一度ステイタスを取得すれば、その後は毎年たくさん飛ばなくても、カードを保有し続けることで上級会員に近い扱いを維持できる――これが大きな魅力でした。
本来SFCが提供してきたサービスを整理すると、次のようなものがあります。
- 専用カウンターでの優先チェックイン、優先搭乗、手荷物の優先受け取り(利用する便によってサービス内容は異なります)
- フライトのボーナスマイルに加え、対象サービスの利用でマイルが2倍(※これはスーパーフライヤーズ本会員のみの特典)
- プレミアムメンバー専用デスクでの予約・各種相談のサポート
こうした「移動をスムーズにしてくれる特典」「マイルがたまりやすくなる特典」が、SFCが長く「上質」と言われてきた中身です。今回の改定では、これらのサービスが各区分でどこまで維持されるのかが論点になっています。ただし、それも当初案+見直しの対象である、という点は忘れないでください。
当初発表された改定案の全体像(※すべて見直し対象)
ここから、当初発表された改定内容を整理していきます。くり返しになりますが、以下はすべて「当初発表された内容」であり、現在ANAが見直しを検討している最中です。確定情報ではありません。読みながら、頭のどこかに「※見直し中」というラベルを貼っておいてください。
当初案の全体像は、年間の決済額にもとづいて2つの区分を設ける、というものでした。
これまでSFCには「区分」という考え方はありませんでした。ところが当初案では、「年間にカードでいくら使ったか」によって、上位の区分と下位の区分に分かれる、とされていました。上位区分には独自の名前も付き、サービス内容も区分ごとに変わる設計です。
ここで強調しておきたいのは、この「2区分を設ける」という枠組みそのものが、いま見直しの対象だということです。「区分が分かれること自体が決まった」わけではありません。次から上位区分・下位区分を順に見ていきますが、いずれも見直し中という前提でお読みください。
上位「SFC PLUS」と下位区分の違い(※当初案・見直し対象)
当初案で示されていた2つの区分の違いを、表にまとめます。いずれも当初発表された内容で、現在見直し検討中です。
| 項目 | 上位区分「SFC PLUS」(当初案) | 下位区分(PLUSでない区分・当初案) |
|---|---|---|
| 名称(当初案) | ANAスーパーフライヤーズカード SFC PLUS | (上位以外の区分) |
| ANAラウンジ | 利用できる | 利用できない |
| スターアライアンスのステイタス | ゴールド | シルバー |
| マイル特典 | 5,000マイルを進呈(※年間決済額300万円以上の場合) | (記載なし) |
| ANAグループ運航便の搭乗時 | 引き続き各種サービスを利用できる | ラウンジ以外の各種サービスはこれまで通り利用できる |
上位区分「SFC PLUS」は、当初の説明では、ANAラウンジを利用できる、感謝として5,000マイルを進呈(条件あり・後述)、スターアライアンスのステイタスはゴールド、とされていました。これまでのSFCに近いサービスを維持しつつ、マイル進呈が付く位置づけです。
一方、下位区分は、当初の説明ではANAラウンジは利用できない、スターアライアンスのステイタスはシルバー、とされていました。ここだけ聞くとサービスが大きく下がる印象を受けるかもしれません。ただ、見落とせない但し書きがあります。それは、ANAグループ運航便に搭乗するときは、ラウンジ以外の各種サービスはこれまで通り利用できる、とされていた点です。つまり「ラウンジ以外のすべてが一律に下がる」という案ではありませんでした。注目が集まったのはラウンジの可否の部分です。
繰り返しますが、上位・下位ともすべて見直しの対象です。「PLUSなら安心」とも「下位区分は使えなくなる」とも、確定として受け取らないでください。
決済額・マイル・対象者の条件(※当初案・見直し対象)
区分を分ける「条件」まわりも、当初案として整理しておきます。いずれも当初発表された内容で、現在見直し検討中です。
年間決済額300万円という目安
当初案では、区分を分ける目安として年間の決済額300万円という数字が出ていました。そして上位区分で触れた5,000マイルの進呈は、年間決済額が300万円以上の場合とされていました。
つまり「年間で300万円以上使うかどうか」が当初案での線引きで、この「300万円」が今回もっとも話題になった部分です。ただ、重ねてお伝えしますが、この300万円という数字そのものが、いま見直しの対象です。金額も、考え方も変わりえます。「自分は使うから大丈夫」「届かないからダメだ」と、確定として受け取らないでください。あくまで当初案の数字と捉えるのが正確です。
100万LTマイル到達という別ルート
当初案には、決済額以外のルートもありました。100万ANAライフタイムマイル(いわゆる100万LTマイル)に到達したお客様は、年間決済額に関わらずSFC PLUSの対象とされていた点です。生涯の飛行実績が一定に達した人は、決済額とは別の道で上位区分になる、という設計でした。
既存会員も含めて全員が対象
そしてもうひとつ大事なのが、この新制度は、すでにSFCを持っている人も含め、すべてのお客様が対象とされていた点です。新規の入会者だけでなく、既存会員も含めた全員に関わる当初案だったため、これだけ多くの人が関心を持ったわけです。
これらの条件も、すべて見直しの対象です。下に当初案の条件をまとめます。
| 条件(すべて当初案・見直し対象) | 当初発表された内容 |
|---|---|
| 区分を分ける目安 | 年間決済額300万円 |
| 5,000マイルの進呈条件 | 年間決済額300万円以上 |
| 決済額不問でSFC PLUSになる条件 | 100万LTマイルに到達 |
| 対象者 | 既存会員も含め、すべてのお客様 |
| 申し込み条件 | 変更なし(後述) |
なお、申し込み条件については、当初発表でも変更なしとされていました。具体的には、①ANAの上級会員ステイタス「ダイヤモンドサービス」または「プラチナサービス」を獲得すること、②ANAグループ運航便への搭乗で100万LTマイルに到達すること、のいずれかです。このどちらかを満たした人がSFCに申し込める、という入り口は当初案でも変わっていません。いわゆる「SFC修行」の入り口自体は、当初案では維持されていたわけです。ただし、取得したあとの区分やサービスの中身は見直しの対象なので、そこは分けて考えてください。
時期の話:判定2026年12月〜、開始は2028年4月(※当初案・見直し対象)
当初案で示されていた「時期」も確認しておきます。これも当初発表された内容で、現在見直し検討中です。
| 時期(当初案・見直し対象) | 当初発表された内容 |
|---|---|
| 判定期間 | 2026年12月16日〜2027年12月15日 |
| 新区分でのサービス開始 | 2028年4月 |
| これから入会する人の判定期間 | 入会日によって異なる(公式FAQに案内) |
当初案では、2026年12月16日から2027年12月15日までを判定期間とし、この期間の決済額などで区分を判定して、2028年4月から新しい区分でのサービスを開始する、という流れでした。
ここで落ち着いて見ておきたいのは、仮にこの当初案どおりに進んだとしても、新区分でのサービス開始は2028年4月である、という点です。つまり「明日からいきなり何かが変わる」という話ではありませんでした。そして当然、この時期も含めてすべて見直しの対象です。2026年9月末の再案内で、時期そのものが変わる可能性もあります。
「300万円使わないと退会?」など不安の論点(断定はしません)
今回の件で、もっとも不安が大きかったのが、「年間300万円を使わないと、スーパーフライヤーズ会員の資格がなくなる(退会扱いになる)のか」という疑問だと思います。ここはていねいに書きます。
公式FAQには、「年間決済額が300万円に届かなかった場合、スーパーフライヤーズ会員の資格は無効(退会扱い)になるか」という関連する項目が、たしかに存在します。ですが、ここが大事なところです。そのFAQの回答は、あくまで当初案にもとづくものであり、これ自体が見直しの対象です。
ですからこの記事では、「300万円を使わないと退会になる」とは断定しません。決まったことではないからです。いちばん不安な部分だからこそ、噂や断定的な情報に流されず、2026年9月末の再案内で正式にどうなるかを待つのが、いちばん正しい構え方です。
「FAQに項目はある。でも、その中身は見直し中」――この切り分けを覚えておいてください。なお、公式FAQには他にも、本会員の決済額判定に家族カードの決済額が合算されるか、家族カードのサービス提供内容、5,000マイルの積算時期、決済額の確認方法、翌年度のサービス提供内容の通知時期、300万円達成時に利用可能なラウンジ、入会時の区分の取り扱い、といった項目があります。ただし、いずれも回答は当初案ベースで、これらも見直しの対象です。
これは"改悪確定"ではありません(事実と未確定を分ける)
ここで、今回いちばん混乱しやすいところを切り分けます。「確定していること」と「確定していないこと」を、はっきり分けて整理しましょう。
| いま確定していること(公式の事実) | まだ確定していないこと |
|---|---|
| ANAがSFCの制度改定を発表したという事実 | 2区分にするのかどうか(枠組みそのもの) |
| その内容について見直しを検討していること | 300万円という金額・考え方 |
| 再検討にあたりお詫びを表明したこと | ラウンジの扱い・スターアライアンスのステイタス |
| 詳細は2026年9月末までに再案内される予定であること | 5,000マイルや既存会員の扱い・退会の有無 |
左側が、公式が認めている「確定事実」です。右側が、まだ「確定していない中身」です。当初案はありますが、その中身はすべて見直し中で、最終的にどうなるかは決まっていません。
つまり、「改悪が確定した」というのは正確ではありません。確定しているのは「発表した」「見直しを検討している」「9月末までに再案内する」という事実までで、改定の中身そのものは確定していないのです。この「確定していること」と「確定していないこと」を分けて持っておくこと――これが、落ち着いて今回の件と向き合うための土台になります。
保有者・これから取る人はどうすべき?(中立・続報待ち)
では、いまSFCを持っている人、これからSFCを取りたい人は、どう構えればいいでしょうか。中立的な整理としてお伝えします。
いまSFCを持っている人
私の整理は、確定を待つ・慌てない・断定情報で動かないの3つです。
- 確定を待つ:改定の中身が決まるのは2026年9月末の再案内です。それまでは、当初案で結論を出す段階ではありません。
- 慌てない:仮に当初案どおりでも、新区分のサービス開始は2028年4月です。すぐ変わるわけではなく、時間的な余裕はあります。
- 断定情報で動かない:「300万円使わないと退会」といった情報も、当初案ベースで見直しの対象です。
この記事で「今すぐ解約しろ」とも「今すぐ何かしろ」とも言うつもりはありません。いまできる最善は、ANA公式の続報、とくに2026年9月末の再案内を待つことです。正式な内容が出てから判断する。これがいちばん損のない構え方だと考えます。
これからSFCを取りたい人
まず安心材料として、SFCの申し込み条件は当初案でも変更なしでした。ダイヤモンドまたはプラチナのステイタスを取るか、100万LTマイルに到達するか、という入り口は維持されています。
ただし注意点もあります。当初案では、これから入会する人は、入会日によって判定期間が異なるとされ、詳しくは公式FAQに案内があります。とはいえ、改定の中身は見直し中で、取得したあとの区分・サービスは9月末の再案内を待たないと分かりません。ですからこれから取りたい人も、まずは続報を待ち、正式な内容が見えてから判断するのが安全です。「急いで取れ」とも「やめておけ」とも、ここでは断定しません。
よくある誤解の整理
今回の件で広がりやすい誤解を、3つ整理しておきます。
- 誤解①「改悪が確定した」……確定しているのは「発表した」「見直しを検討している」「9月末に再案内する」という事実までで、改定の中身は確定していません。
- 誤解②「300万円を使わないと退会、と決まった」……FAQに関連項目はありますが、回答は当初案ベースで見直しの対象です。決まったことではありません。
- 誤解③「すぐに変わる」……当初案どおりだとしても、新区分のサービス開始は2028年4月でした。すぐに何かが変わる話ではありません。
だからこそ、事実と未確定を分けることが大切です。確定したことだけを確定として扱い、それ以外は「見直し中」として置いておく。これが、誤解に巻き込まれないコツです。
よくある質問(FAQ)
Q1. SFCの制度改定は、もう確定したのですか?
A. いいえ。2026年6月時点で、ANAは「改定内容について見直しを検討している」と表明しています。当初発表された内容は見直しの対象で、詳細は2026年9月末までにあらためて案内される予定です。確定はしていません。
Q2. 「年間300万円を使わないと退会になる」というのは本当ですか?
A. 公式FAQに関連する項目はありますが、その回答は当初案にもとづくもので、見直しの対象です。「退会になる」と確定したわけではありません。正式な内容は2026年9月末の再案内を待つ必要があります。
Q3. 上位区分「SFC PLUS」になれば、これまで通りラウンジは使えますか?
A. 当初案では、上位区分「SFC PLUS」はANAラウンジを利用できる、とされていました。ただしこれも当初発表された内容で、現在見直し検討中です。確定として受け取らないでください。
Q4. いまSFCを持っています。何かすぐにしたほうがいいですか?
A. この記事としては、慌てて動くことはおすすめしません。当初案どおりでも新区分の開始は2028年4月で時間的余裕があり、内容も見直し中です。2026年9月末の再案内を待ってから判断するのが安全です。
Q5. これからSFCを取りたいのですが、入り口の条件は変わりますか?
A. SFCの申し込み条件は、当初発表でも変更なしとされていました(ダイヤモンド/プラチナの獲得か、100万LTマイルの到達のいずれか)。ただし取得後の区分やサービスの中身は見直し中なので、続報を確認しながら判断してください。
まとめ
最後に整理します。ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度改定は、いったん発表されたものの、いまANAが見直しを検討している最中です。多くの意見を受けて再検討を表明し、お詫びをした――これが2026年6月時点の現在地です。
ですから「改悪が確定した」というのは正しくありません。確定しているのは「発表した」「見直しを検討中」「2026年9月末までに再案内する」という事実までです。当初発表された内容、つまり年間決済額で2区分、300万円という目安、ラウンジの可否、5,000マイル、既存会員も全員が対象――こうした中身は、すべて見直しの対象で、まだ確定していません。
いちばん大事なのは、事実と未確定を分けることです。慌てず、断定的な情報で動かず、2026年9月末の再案内を落ち着いて待つ。注目すべきは、まさにこの9月末の再案内です。そこで初めて、見直しの結果としての最終的な内容が見えてきます。当ブログでも、再案内が出たら、あらためて続報を整理してお届けする予定です。
免責
本記事は2026年6月時点の、ANA公式発表に基づく整理です。ANAスーパーフライヤーズカード(SFC)の制度改定は、現在ANAが見直しを検討中であり、内容は確定していません。当初発表された内容(年間決済額による2区分、SFC PLUS/下位区分のサービス、300万円・5,000マイル・100万LTマイル、既存会員も対象、判定2026年12月16日〜2027年12月15日・2028年4月開始など)は、すべて見直しの対象です。「改悪が確定した」という趣旨の記事ではありません。「年300万円を使わないと退会になる」といった点も、当初案にもとづく論点であり、断定できません。制度改定の詳細は、2026年9月末までにANAからあらためて案内される予定です。最新の情報は必ずANA公式サイトでご確認ください。本記事は、入会・解約などの特定の行動をすすめるものではありません。